矯正治療を終えた後、再び歯並びに悩み始める方も少なくありません。
一度整えた歯並びが元に戻る「後戻り」、あるいは治療結果への不満など、再矯正を検討する理由は様々です。
しかし、再矯正には特有のリスクも存在します。
今回は、再矯正が必要となるケース、再矯正に伴うリスク、そして再矯正を成功させるための注意点を解説し、2回目の矯正治療への不安を解消するお手伝いをします。
再矯正について正しく理解することで、より良い治療選択につながるでしょう。
矯正2回目のリスク
歯根吸収のリスクと予防策
歯根吸収とは、歯の根っこである歯根が短くなる現象です。
歯を動かす矯正治療では、歯根に強い力が加わるため、吸収が起こる可能性があります。
特に、再矯正では、歯根への負担が累積するため、リスクが高まります。
予防策としては、適切な矯正力の調整、丁寧なブラッシングによる歯周組織の健康維持が重要です。
歯科医師と密に連携を取り、定期的な検査で歯根の状態をモニタリングすることで、早期発見と早期対応が可能です。
歯肉退縮のリスクと予防策
歯肉退縮とは、歯茎が後退する現象です。
歯を動かす過程で、歯茎に強い力が加わったり、歯周組織の炎症が慢性化したりすることで起こります。
再矯正では、1回目の矯正で既に歯肉退縮が起きている場合、さらに悪化しやすいというリスクがあります。
予防策としては、丁寧なブラッシングによる歯周病予防、矯正力の適切な管理が挙げられます。
また、歯肉が薄い方は、歯科医師と相談しながら治療計画を立てることが重要です。
後戻りのリスクと対策
後戻りは、矯正治療後に歯が元の位置に戻ろうとする現象です。
これは、保定装置の不適切な使用、舌癖、歯ぎしりなどの生活習慣が原因で起こることが多く、再矯正が必要となる大きな要因です。
後戻りを防ぐためには、治療後の保定期間をきちんと守り、指示された通りに保定装置を使用することが不可欠です。
さらに、舌癖や歯ぎしりなどの生活習慣を改善することも重要です。
必要であれば、マウスピースなどの矯正装置を継続的に使用することも検討しましょう。

再矯正が必要となるケース
治療への不満による再矯正
1回目の矯正治療で、歯並びや噛み合わせ、口元の印象などに満足できなかった場合、再矯正を検討することになります。
治療結果に納得できない、または当初の治療計画と結果が大きく異なっていた場合などは、再矯正の大きな理由となります。
再矯正を検討する際には、治療内容や費用、治療期間について、歯科医師に相談し、意見を聞くことが重要です。
治療中断による再矯正
様々な理由から矯正治療を中断し、その後、歯並びの悪化や噛み合わせの不具合を感じた場合、再矯正が必要になることがあります。
中断した原因を分析し、再矯正を行う際には、中断した理由を解消できるよう、歯科医師と十分に話し合い、治療計画を立てましょう。
後戻りによる再矯正
1回目の矯正治療後、保定装置の不適切な使用や生活習慣などにより、歯並びが後戻りした場合、再矯正が必要となります。
後戻りの程度によっては、部分的な矯正で済む場合もありますが、広範囲にわたる後戻りであれば、1回目の矯正と同様の治療が必要となることもあります。

矯正における注意点
再矯正にかかる費用と支払い方法
再矯正にかかる費用は、治療内容や使用する装置によって大きく異なります。
1回目の矯正治療と比較して、費用が高くなるケースもあります。
治療費用の支払い方法については、各歯科医院で異なるため、事前に確認が必要です。
分割払いなどの支払い方法に対応している医院もあります。
再矯正の治療方法と期間
再矯正の治療方法には、ワイヤー矯正、マウスピース矯正などがあります。
治療方法は、歯並びの状態や患者の希望、予算などを考慮して、歯科医師と相談して決定します。
治療期間は、治療の範囲や難易度によって異なり、数ヶ月から数年かかる場合もあります。
まとめ
再矯正は、歯並びの改善というメリットがある一方、歯根吸収や歯肉退縮、後戻りなどのリスクも伴います。
再矯正を検討する際には、治療が必要となった原因を明確に理解し、適切な医師を選び、治療計画、費用、期間などを十分に検討することが重要です。
治療を受ける前に、歯科医院で相談し、意見を聞くことで、より安心安全な治療を選択できるでしょう。
再矯正は、決して簡単な治療ではありませんが、適切な知識と準備があれば、理想の歯並びを実現できる可能性が高まります。
歯科医師との信頼関係を築き、積極的にコミュニケーションをとることで、不安を解消し、治療を成功に導きましょう。