歯列矯正を考えている人の中には、装置が見えることに抵抗があって躊躇している方や、お仕事の都合などで従来の表側装置ではなかなか治療に踏み切れないという方もいらっしゃるでしょう。
そんな声に応えて日本で開発・実用化されたのが「舌側矯正」です。ブラケットを歯の裏側に装着する舌側矯正は、大きく口を開けた時だけかろうじて装置が見える程度なので、周囲の人にほとんど気付かれずに治療することが出来ます。
上下歯列ともに裏側(舌側)から矯正を行う「フルリンガル」と、目立ちやすい上の歯列のみ裏側(舌側)から行い、下の歯列は表側から行う「ハーフリンガル」があります。
特殊な装置を用いることから、舌側矯正に精通した矯正医の存在が不可欠となり、舌側矯正を出来る歯科医院はまだ少ないのが現状です。
当院では経験豊富な矯正医が治療を行っておりますので、どうぞお気軽にご相談下さい。
上下ともに裏側に矯正装置を装着する「フルリンガル」で矯正を行った場合、次のようなメリットがあります。
見た目を気にせず日常生活が送れる
歯の表面ではなく裏側に矯正装置をつける事により、周囲の人からは治療している事がほとんどわかりません。日常生活はもちろん、接客業や営業などビジネスシーンにおいても普段と同じように人と接する事ができます。
虫歯の発生を抑える
歯を覆っているエナメル質は、表面より裏側の方が厚いため、歯の裏側の方が虫歯になりにくいと言われています。また、歯の裏側は浄化作用のある唾液が常に行き届いています。したがって歯の裏側に矯正装置をつけると虫歯になりにくいと言えます。
治療後の見た目を損なわない
矯正装置を外した後の歯には多少の傷が付きます。しかし歯の裏側に矯正装置をつける事により、外した後の歯の見た目は治療前と全く変わりません。
外部からの安全性
歯の表側に矯正装置を装着すると、口元をぶつけたり、ボールなどが飛んできた場合唇をケガする可能性があります。その点舌側矯正では、万一口元をぶつけたりしても矯正装置が原因でのケガのリスクを少なくする事ができます。
初診カウンセリング
口腔内の状態を確認した後、大まかな治療内容や治療期間、おおよその費用などのお話をします。
歯並びに関するお悩み、治療に関するご希望や疑問など、不安を残したまま治療に入ることが無いように、何でもお聞かせ下さい。
ご希望が御座いましたら、カウンセリング後に精密検査を行います。
精密検査
診断に必要なレントゲン、口腔内とお顔の写真撮影、歯型の採取を行います。
これらの検査結果を基に診断を行い、最善の治療計画を立てます。
虫歯・歯周病のチェックと治療
マウスピース(アライナー)を着ける前の準備として、虫歯や歯周病がある人はこの段階で治療を行います。
矯正治療では、抜歯は極力行わない治療をご提案しております。
また、歯磨きの指導も行っていきます。
治療計画の説明
精密検査の結果をご説明し、治療方法や期間などの詳細な治療計画をご提案します。
費用や支払い方法なども含めて、あらゆる面で納得して治療を受けて頂けるよう、充分に話し合って治療開始までのスケジュールを決めていきます。
口腔内のクリーニング
治療に入る前に口腔内をクリーニングして歯石や着色をきれいに落とします。
矯正中は装置に汚れが付着しやすく虫歯や歯周病になりやすいため、正しい歯磨き方法も同時に指導します。
舌側矯正の作製
患者様の歯形を採取して、歯の形態に合わせて完全オーダーメイドで装置を作製します。
歯型を採取してから装置が完成するまで約1ヶ月かかります。
矯正計画において抜歯が必要な場合には、この期間内に行います。
矯正装置の装着
従来の表側矯正に比べて、舌側矯正を初めて装着する際には少々時間がかかります。約2時間程度とお考え下さい。
抜歯をされた方で、抜いた後の隙間が気になる方は仮歯を着けます。
装置は歯を正しい位置へ移動させるために、適切な力がかかるように設計されています。
ほとんどが固定式のもので、一本一本の歯に接着していきます。
装着が全て終了した後、痛い時の対処方法や歯磨きのやり方などをご説明致します。
通院しての矯正歯科治療期間
歯の移動期間にあたるこの時期には、約4~6週間に一度ご来院頂き、歯の移動状況をチェックしながらワイヤー交換や調整を行います。
また、虫歯や歯周病を防ぐために定期的に歯磨き指導とクリーニングを行いながら治療を進めていきます。
歯の移動期間の目安としては、でこぼこは約6ヶ月程度で並びますが、噛み合わせを整えて噛める歯並びにするには1年~2年半くらいかかります。
矯正装置の取り外し
歯の移動が完了してきれいな歯並びが確認できたら矯正装置を外します。
その後、後戻りを防ぐリテーナー(保定装置)を作るための歯型採取を行います。
保定期間
理想的な歯並びに治り矯正装置を取り外した直後は、歯は骨に対してまだ不安定な状態にあるために元の位置へ戻ろうとします。
これを防ぐためにリテーナー(保定装置)と呼ばれる固定装置を使用します。
3~6ヶ月ごとにご来院頂き、クリーニングなどのメンテナンスをしながら経過を観察します。歯が安定してくるに従い、リテーナーの装着時間を徐々に減らしていきます。
治療の終了
経過の観察後、矯正医がもう大丈夫と判断したら治療は終了となります。
全ての装置を取り外した後は、メンテナンスが大事になります。
理想の歯並びを手に入れても、虫歯や歯周病になって歯を失ってしまっては意味がありません。美しい歯並びを長く維持できるように、お口の中のケアをしっかりと行いましょう。