矯正治療中は、お口の中に装置が付いているため、毎日の歯磨きに悩む方も少なくありません。
通常の歯ブラシでは届きにくい場所が増え、どうしても磨き残しが生じやすくなってしまうものです。
この磨き残しが蓄積すると、虫歯や歯周病といった、せっかくの矯正治療の妨げになりかねない口内トラブルを引き起こすリスクが高まります。
そこで、治療期間中も快適に、そして効果的に歯を清潔に保つための歯ブラシ選びが大切になります。
矯正中の歯ブラシは重要
矯正治療中は、歯にブラケットなどの装置が付いているため、いつもの歯磨きでは歯ブラシの毛先が届きにくくなります。
特に、装置の周りや歯と歯の間、歯と歯茎の境目などは、汚れが溜まりやすい箇所です。
これらの磨き残しを放置してしまうと、お口の中の細菌が繁殖し、虫歯や歯周病といったトラブルを引き起こすリスクが高まるため、専用の歯ブラシや補助用具を適切に使うことが非常に重要です。
装置で磨き残しが増える
歯に矯正装置が装着されると、歯の表面だけでなく、装置の周りやワイヤーの下など、複雑な箇所が増えます。
通常の歯ブラシでは、これらの細かな部分に毛先が届きにくく、どうしても磨き残しが発生しやすくなります。
これにより、お口の中の衛生状態が悪化する可能性があります。
虫歯や歯周病リスクが高まる
磨き残しが増えるということは、お口の中に汚れが残りやすくなるということです。
この汚れは、虫歯菌や歯周病菌のエサとなり、それらの細菌が繁殖しやすい環境を作り出してしまいます。
結果として、矯正治療中に虫歯になったり、歯茎が腫れたりといった、お口の健康を損なうリスクが高まるため、丁寧なセルフケアが不可欠です。
矯正用歯ブラシのおすすめな選び方
矯正中の歯磨きを効率的に行うためには、ご自身の状況に合った矯正用歯ブラシを選ぶことが大切です。
いくつかポイントを押さえて、最適な一本を見つけましょう。
磨きたい箇所でタイプを選ぶ
矯正治療中は、磨きたい箇所によって適した歯ブラシの形状が異なります。
例えば、装置の周りをきれいにしたい場合は山形カット、歯と歯茎の境目など細かい隙間をケアしたい場合はワンタフトブラシ、装置に直接毛先が当たりにくいようにしたい場合はU字型といったように、目的に合わせてタイプを選ぶと良いでしょう。
ヘッドの大きさや毛の硬さも重要
矯正装置が付いているお口の中は、通常よりも小回りが利くコンパクトなヘッドの歯ブラシが適しています。
ヘッドが小さいほど、歯の裏側や奥歯など、磨きにくい場所にもしっかりとアプローチしやすくなります。
また、毛の硬さは、歯茎の状態に合わせて選ぶことが大切です。
歯茎が健康な状態であれば「普通」の硬さが使いやすいですが、歯茎に炎症があったり出血しやすい場合は、「やわらかめ」を選ぶことで歯茎への負担を軽減できます。
矯正中の歯ブラシ交換時期
矯正装置は歯ブラシの毛先を傷めやすく、毛先が開きやすくなることがあります。
そのため、通常の歯ブラシよりも交換時期を早めることが推奨されます。
目安としては、1ヶ月に1本程度、あるいは毛先が傷んできたらすぐに交換するように心がけましょう。
こまめな交換で、常に清潔で効果的な歯磨きを維持することが大切です。
おすすめの矯正用歯ブラシの種類
矯正治療中の歯磨きにおすすめの歯ブラシには、いくつかの特徴的な形状があります。
それぞれのメリットを知り、ご自身のケアに取り入れてみましょう。
山形カットで装置周りをきれいに
山形カットの歯ブラシは、毛先の中央部分が長めにカットされているのが特徴です。
この形状により、歯の表面だけでなく、矯正装置の周りやワイヤーと歯の間の複雑な隙間にも毛先が入り込みやすくなります。
装置周りのプラーク（歯垢）を効果的に除去するのに役立ちます。
ワンタフトで隙間を徹底ケア
ワンタフトブラシは、毛束が一つになった小さなヘッドが特徴です。
そのコンパクトさゆえに、歯ブラシでは届きにくい歯と歯の間、歯と歯茎の境目、歯の裏側など、ピンポイントで汚れをかき出すのに適しています。
矯正装置が付いていることでさらに磨きにくくなった細部もしっかりとケアできます。
U字型で装置に優しく磨く
U字型にカットされた歯ブラシは、中央の毛が短く、両側の毛が長くなっているデザインです。
この形状により、歯の矯正装置であるワイヤーに毛先が干渉しにくく、装置に負担をかけずに歯面を優しく磨くことができます。
装置の上からでもスムーズに歯垢を除去しやすいのがメリットです。
まとめ
矯正治療中の歯磨きは、装置があるため通常よりも難しく、磨き残しが生じやすくなります。
こうした磨き残しは、虫歯や歯周病のリスクを高めるため、適切なケアが不可欠です。
矯正用歯ブラシを選ぶ際は、装置の周りを磨きやすい山形カット、細部まで届くワンタフトブラシ、装置に優しいU字型といった、目的に合ったタイプを選ぶことが重要です。
また、ヘッドの大きさはコンパクトなもの、毛の硬さは歯茎の状態に合わせて選び、毛先が傷みやすいことを考慮して、交換時期も通常より早めにするのがおすすめです。
これらのポイントを押さえ、ご自身に合った歯ブラシで丁寧なケアを続けることが、健康的で美しい歯並びへと繋がります。
